吉原の雲海  2007.3


   夜中の吉原からの富士山に呆れるほど出掛けました。
     しかし、肝心の雲海はなかなか出てくれません。
       でも、数打てば何時かは当たるが如しで、とうとうチャンスがやってきました。
          数日前から天気予報とにらめっこ。
            午前3時雨・6時晴れ、西から急速に回復予報です。
               雨の中、家を出ました。
          
    
半月は直前に西に沈み、周りは真っ暗です。富士山の姿は全く見えません。
      こんな天気の悪い日に出掛ける「バカモノ」は、他に誰もいませんでした。
        相棒に位置を説明してから、黙々と撮影準備を始めました。
          静まりかえった山奥です。
            直ぐ近くから
鹿の遠吠えが「ピーッ! ピーッ!」と不気味に聞こえます。

    見える姿を想定してセッティングや調整をします。
      薄灯りが僅かに見えるだけです。ピントを合わせる標的がありません。
        およその感です。最初は15分で様子を見ました。
          画像を確認すると、いました!いました! 
「幻想的な富士山」

    愛用のカメラは特性上撮影した時間と同じ時間だけノイズ除去します。
      従って、30分撮影すると、一時間で一枚しか撮れません。
        鮮明な画像を確保するのに止む終えないのかも知れませんが、不便です。


  
   富士宮市・富士市の灯りが輝いています。 吉原地区がすっぽり雲の中。
           不思議な光景です。神秘の別世界が・・・  赤い色・・・  緑の色・・・
                    遙か後方には、富士の姿が浮き出ます。
   これを見ると随分明るく見えますが、実際は殆ど暗闇です。
      富士宮市の灯りがボヤーと霞む程度、近くの山の稜線が僅かに判別できる程度です。
          長い時間開放されたカメラに光が蓄積され可視光線となって現れます。
  
    不思議な雲は、まるで生き物のように、厚くなったり薄くなったり刻々と変わります。


  
              視点を変えて星のラインを強調してみました。


  
     東の空は少しずつ 少しずつ 光が差してきます。それにつれて不思議なベールも急速に動き始めます。
        素晴らしい!  これは! 本当に! この世の光景!

  
            空は一気に明るくなり始めました。次第に墨絵の世界に突入です。


                  
       最後の足掻きと燃え尽きるように一瞬赤く染まる。          次の瞬間は墨絵状態。


   
     雲は小さく砕け、波のように活発に移動します。感動の雲海です。

              
              さぁーいよいよお日さまのお出ましです。波打つ雲に日が入りました。


  
               今度こそ、今度こそと思いながら・・・通い続けた・・・


  
     赤く焼けた、お日さまの光もピークを迎えました。次第に色が消え始めます。


   
   ここで去りがたい気持ちを抑えて下界に降りることにしました。  下り初めて最初に開けた地点です。


  
         お茶畑がある中間地点です。右側に流れ下っています。

            
         お日さまの光に当たり湿った空気が上昇し始めたのでしょう。上空が次第に霞んできました。


  
                 大分下ってきました。この直ぐ下に民家があります。
                   あきらめずに通い続けて本当に良かった。
                そっと感謝しながら、次の目的地に向かうことにしました。

                     ありがとう!      ありがとう!


     "静岡のMさん" 「もう止めよう」と思いながらも、何回も通いました。
     おかげさまで、やっと幸運な  =雲海のある山並みに映える富士山=  のチャンスに出会いました。
     感謝します。



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