須津川渓谷の9月               


愛鷹山(あしたかやま)は、標高わずかな山ですが植物の宝庫として、種々の花々が四季を通して咲き乱れます。非常に古い山でこの付近には無い、味わいのある、奥の深い山だと思います。
今回は、秋の代表的な草花にスポットを当ててみました。
最初は「イワギボウシ」です。この花は普通庭に栽培されている「斑入りギボウシ」の「カピタン」「とくだま」や「ミズギボウシ」「オオバギボウシ」「コバノギボウシ」「乙女ギボウシ」の「ゴロッパ」などと呼ばれている仲間です。やや、高山の樹上もしくは岩場に自生し、落葉多年生植物です。茎の付け根に小豆色の斑点が入るので、すぐ見分けがつきます。
次の「アシタカジャコウソウ」は、私のお気に入りの植物です。あまり目立ず可憐な小さな花を数個付けます。中国と日本に13種類があるようで、「タニジャコウソウ」に近い種類のようです。
次は、「シラヒゲソウ」です。何ともいえない奇妙な花ですね。変わった花と言えば「トンボソウ」「スズムシソウ」「ジガバチソウ」「サギソウ」等々動物や昆虫にそっくりな花が色々ありますね。この花も『ひげ』に見立てて名前を付けたのでしょう。
「イワシャジン」は岩場のわずかな土の上に根をおろすものや、地上の枯れ木の上に根付くもの、豊富な土の上に安住の地を得たもの等様々です。色の濃いものや、白いもの、いつまでも見飽きることはありません。南アルプスの夜叉神峠付近に自生する「ホウオウシャジン」は花がいっぱい付いて見事ですね。
最後の「ホトトギス」は鳥のホトトギスの胸腹の斑紋に似ていることからつけられたようです。それにしてもおもしろい花ですね。日本には10種類ほどあるようです。


  

イワギボウシ

ひとつひとつの花はわずか一日の命。
うまく交配できれば結実します。
後から後から咲き続けます。
岩場にぴったりの光景ですね。

     




アシタカジャコウソウ
どうですか、この素晴らしい光景は!
クローズアップのおかげで上機嫌です。
コケの生えた石の上に得意げに花開いています。


      

シラヒゲソウ
まさしくおひげのようですね。

    

           ツリフネソウ                ノコンギク               ツルニンジン           


       

イワシャジン
紫色の濃いやつ、薄いやつ
思い思いにあちらこちらに咲き乱れます。
左側の岩肌が須津川渓谷の一場面です。


      

ホトトギス
夏から秋にかけて咲き続けます。
この名前もぴったりですね。本当に素晴らしい名前を付けてくれましたね。

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